117 精神神経用剤
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[禁忌]の項に
「重篤な心血管障害のある患者」
を追記し、[重要な基本的注意]の項の心血管系に対する影響に関する記載を
「心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に、血圧及び心拍数(脈拍数)を測定すること。」
と改め、心疾患の可能性のある患者への投与に関する記載を
「本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。また、患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。」
と改める。
259 その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[重要な基本的注意]の項の胎児及び新生児の副作用に関する記載を
「胎児に心不全、頻脈、不整脈があらわれることがある。また、新生児に腸閉塞、心不全、可逆的な心室中隔壁の肥大、低血糖症、頻脈、腎機能障害があらわれることがある。」
と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項に
「胎児及び新生児における心不全:
胎児及び新生児に心不全があらわれることがあり、特に2週間以上の投与例で心不全を認めた報告がある。胎児期から心拡大等の心不全徴候に留意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
421 アルキル化剤
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal
Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
429 その他の腫瘍用薬
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「間質性肺炎:
間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。」
「血栓塞栓症:
深部静脈血栓症、肺塞栓症等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」
を追記する。
429 その他の腫瘍用薬
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「肺動脈性肺高血圧症:
肺動脈性肺高血圧症があらわれることがあり、本剤を長期にわたり投与した際に発現した例も報告されている。観察を十分に行い、呼吸困難、胸痛等の症状があらわれた場合には投与を中止するとともに、他の病因(胸水、肺水腫等)との鑑別診断を実施した上で、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
799 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[その他の注意]の項に
「海外で実施された心血管疾患を有する患者703例を対象とした本剤の有効性評価のためのランダム化二重盲検比較試験において、心血管イベントの発生割合は本剤投与群では7.1%(25/353)、プラセボ投与群では5.7%(20/350)[リスク差:1.4%、95%信頼区間 -2.3%~5.0%]であったとの報告がある。また、安全性メタ解析において、心血管イベントの発生割合は本剤投与群では1.06%(52/4908)、プラセボ投与群では0.82%(27/3308)[Petoオッズ比1.72、95%信頼区間 1.09~2.71]であったとの報告がある。」
を追記する。
〈参考〉Rigotti,N.A.,et al.:Circulation 2010;121:221-229
Singh,S.,et al.:CMAJ 2011;183(12):1359-1366