使用上の注意改訂情報(令和3年10月12日指示分)

【薬効分類】 399 他に分類されない代謝性医薬品
【医薬品名】 トファシチニブクエン酸塩
【措置内容】 以下のように使用上の注意を改めること。

【「医療用医薬品の電子化された添付文書の記載要領について」(令和3年6月11日付け薬生発0611第1号局長通知)に基づく改訂(新記載要領)】

下線は変更箇所
現行 改訂案
1. 警告
本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

5. 効能又は効果に関連する注意
〈効能共通〉
心血管系事象のリスク因子を有する患者に本剤を投与する際には、静脈血栓塞栓症があらわれるおそれがあるので、他の治療法を考慮すること。

8. 重要な基本的注意
悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
心血管系事象のリスク因子を有する患者
他の治療法を考慮すること。特に10mg 1日2回投与の必要性については慎重に判断すること。
本剤を投与する場合は、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。
静脈血栓塞栓症があらわれるおそれがある。
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象に実施中の海外臨床試験において、肺塞栓症及び深部静脈血栓症の発現頻度はTNF阻害剤群と比較し、本剤5mg 1日2回群及び本剤10mg 1日2回群で用量依存的に高くなる傾向が認められており、心突然死等を含む死亡の発現頻度はTNF阻害剤群と本剤5mg 1日2回群で同程度、本剤10mg 1日2回群で高い傾向であったことが報告されている。

11. 副作用
11.1 重大な副作用
(新設)

15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
〈関節リウマチ〉
国内外で実施された最長1年間の比較試験5試験において、本剤を3030例(2098人・年)、プラセボを681例(203人・年)に投与した結果、プラセボ群では悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現はなかったが、本剤群では13例に発現した。曝露量あたりの悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、本剤5mg 1日2回投与を受けた関節リウマチ患者で0.55/100人・年(95%信頼区間:0.23~1.33、発現割合:0.4%<5/1216例>)、本剤10mg 1日2回投与を受けた関節リウマチ患者で0.88/100人・年(95%信頼区間:0.44~1.76、発現割合:0.7%<8/1214例>)であり、10mg 1日2回投与群で高かった。国内外で実施された複数の臨床試験において、65例の悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)が本剤投与群で発現し、時期別の発現状況は表のとおりであった。また、本剤の投与を受けた関節リウマチ患者において、リンパ腫の発現が報告されている。外国で実施された腎移植患者を対象とした臨床試験において、複数の免疫抑制剤併用下で、シクロスポリンを投与した群のリンパ腫の発現割合は0%(0/111例)であるのに対して、本剤を投与した群でEBウイルス関連のリンパ腫の発現割合は2.3%(5/218例、非ホジキンリンパ腫4例、ホジキ
ンリンパ腫1例)であった。


〈潰瘍性大腸炎〉
国内外で実施された比較試験4試験及び長期投与試験における全用量群では、リンパ腫1例を含む悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)7例が報告され、いずれもPD(Predominant Dose:主要用量)1回10mg、1日2回投与群に認められた。非黒色腫皮膚癌は10例報告され、9例はPD 1回10mg、1日2回投与群であった。PD 1回10mg、1日2回投与群における非黒色腫皮膚癌の発現率はPD 1回5mg、1日2回投与群より高かった。同様に、PInd(PostInduction dose:寛解導入後用量)1回10mg、1日2回投与群における非黒色腫皮膚癌の発現率はPInd 1回5mg、1日2回投与群より高かった。非黒色腫皮膚癌の発現率は投与期間の長さに比例して増加する傾向はみられなかった。

17. 臨床成績
(新設)
1. 警告
本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等、悪性腫瘍の発現報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。

5. 効能又は効果に関連する注意
〈効能共通〉
心血管系事象のリスク因子を有する患者に本剤を投与する際には、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症があらわれるおそれがあるので、他の治療法を考慮すること。

8. 重要な基本的注意
悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。また、海外臨床試験において悪性腫瘍の発現頻度がTNF阻害剤に比較し本剤で高い傾向が認められたとの報告もあることから、悪性腫瘍の発現には注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
心血管系事象のリスク因子を有する患者
他の治療法を考慮すること。特に10mg 1日2回投与の必要性については慎重に判断すること。
本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度はTNF阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。また、静脈血栓塞栓症の発現頻度は本剤群で用量依存的に高くなる傾向が認められており、死亡の発現頻度は本剤10mg 1日2回群で高い傾向であったことが報告されている。

11. 副作用
11.1 重大な副作用
心血管系事象
心筋梗塞等の心血管系事象があらわれることがある。
悪性腫瘍

15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
〈関節リウマチ〉
(削除)














〈潰瘍性大腸炎〉
(削除)









17. 臨床成績
17.3 その他
外国市販後臨床試験(A3921133試験)
心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を1つ以上有する50歳以上の外国人関節リウマチ患者4362例を対象に、本剤(5、10mg 1日2回投与注1))又はTNF阻害剤投与後の安全性を検討する非盲検無作為化並行群間比較試験を実施した。
主要評価項目である主要な心血管系事象注2)(Major AdverseCardiovascular Events:MACE)及び悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、いずれもTNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかった。


表 主要な心血管系事象(MACE)の発現率


5mg BIDN=145510mg BIDN=1456本剤併合N=2911TNF阻害剤N=1451
100人年当たりの発現率(95%信頼区間)0.91(0.67,1.21)1.05(0.78,1.38)0.98(0.79,1.19)0.73(0.52,1.01)
ハザード比(95%信頼区間)1.24(0.81,1.91)1.43(0.94,2.18)1.33(0.91,1.94)a)

a)TNF阻害剤群に対する本剤併合群のハザード比の95%信頼区間上限が予め設定していた非劣性マージン1.8を超えていた。

表 悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率


5mg BIDN=145510mg BIDN=1456本剤併合N=2911TNF阻害剤N=1451
100人年当たりの発現率(95%信頼区間)1.13(0.87,1.45) 1.13(0.86,1.45)1.13(0.94,1.35)0.77(0.55,1.04)
ハザード比(95%信頼区間)1.47(1.00,2.18)1.48(1.00,2.19) 1.48(1.04,2.09)b

b)TNF阻害剤群に対する本剤併合群のハザード比の95%信頼区間上限が予め設定していた非劣性マージン1.8を超えていた。
また、肺塞栓症、深部静脈血栓症及び総死亡の発現率は、以下のとおりであった。

表 肺塞栓症及び深部静脈血栓症の発現率


5mg BIDN=145510mg BIDN=1456本剤併合N=2911TNF阻害剤N=1451
肺塞栓症0.17(0.08,0.33) 0.50(0.32,0.74)0.33(0.23,0.46) 0.06(0.01,0.17)
深部静脈血栓症0.21(0.11,0.38)0.31(0.17,0.51)0.26(0.17,0.38)0.14(0.06,0.29)

100人年当たりの発現率(95%信頼区間)

表 総死亡の発現率

5mg BIDN=145510mg BIDN=1456本剤併合N=2911TNF阻害剤N=1451
総死亡0.50(0.33,0.74) 0.80(0.57,1.09) 0.65(0.50,0.82) 0.34(0.20,0.54)

100人年当たりの発現率(95%信頼区間)

注1)本剤の関節リウマチにおける承認用法・用量は、トファシチニブとして5mg 1日2回経口投与である。
注2)本試験のMACEの定義は以下のとおりであった。
・心血管死:致死的な急性心筋梗塞、心突然死、致死的な心不全、致死的な脳卒中、致死的な心血管処置、致死的な心血管出血、その他の心血管関連死(末梢動脈疾患)
・非致死的な心筋梗塞
・非致死的な脳卒中(虚血又は出血性の新たな画像所見が認められる可逆的な限局性神経欠損を含む)


【薬効分類】 613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
【医薬品名】 セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム
【措置内容】 以下のように使用上の注意を改めること。

【「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(平成9年4月25日付け薬発第606号局長通知)に基づく改訂(旧記載要領)】

下線は変更箇所
現行 改訂案
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。


副作用
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等):
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

副作用
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)、アレルギー反応に伴う急性冠症候群:
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)、アレルギー反応に伴う急性冠症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【「医療用医薬品の電子化された添付文書の記載要領について」(令和3年6月11日付け薬生発0611第1号局長通知)に基づく改訂(新記載要領)】

下線は変更箇所
現行 改訂案
8. 重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

11. 副作用
11.1 重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)
8. 重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。

11. 副作用
11.1 重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)、アレルギー反応に伴う急性冠症候群


【薬効分類】 642 駆虫剤
【医薬品名】 イベルメクチン
【措置内容】 以下のように使用上の注意を改めること。

【「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(平成9年4月25日付け薬発第606号局長通知)に基づく改訂(旧記載要領)】

下線は変更箇所
現行 改訂案
重要な基本的注意
(新設)


副作用
重大な副作用
(新設)
重要な基本的注意
意識障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。

副作用
重大な副作用
意識障害:
昏睡、意識レベルの低下、意識変容状態等の意識障害が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(注)患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。